自縛
釣針を咥えた背中は
徐々に小さく
真似事を重ねる度に
徐々に大きく
平衡感覚を失いながら
水溜りの底の
空へと昇ってゆく

映り込む程に陽は沈み
潜り込む程に地は迫り上がる

追い求める理想とは
反比例する賛辞の渦に
人は酔い痴れ吐き気を催す

雲は何処までも儚くて
蜘蛛はいつからか
己の糸に縛られていた

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2015.04.06


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