パラボラ
想定し得る限りの種を
バスタブの中へ放りながら
見せ掛けの愛と平和に
現実の色を塗りたくる

それは差別でありますぞ

絡め取られた花の首
融け掛けの雪に混じって
弱者を装う
狡猾な強者が筆を奪う

椅子は何時からか
脚を折られ
嘘は何時までも
蟻を見下ろす

潰されて声も上げれず
土に塗れた砂糖を舐めども
屋根の上は自由であって
焦げの痕は杞憂であった

パラボラアンテナが
天を見上げ
公然の虚飾に微笑みかける
摘み取った花弁の
一片一片
ただ在る事に固執しながら

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2015.04.17


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