褪せた網膜
風下で受け止める
花の残り香
萎んだ傘も土へ還り
白んでゆく
煙突の影法師

褪せた色は何処へ流れ
誰の瞳に映るのか

飛んでしまえ
羽根の虚飾に気付く前に
脚と根株が交わる前に

投げ出した空は彩り溢れ
投げ出された空は
既に焼跡

降り積もる灰を見上げ
吊り上がる
首の軋みに耳を澄ませる
どうしても
あの頃の声が聞きたくて
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2015.05.15


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