散り散りのまま
充血した岩肌が剥き出され
遠い昔に打ち捨てられた
金属音が
日の目を浴びる

踏み抜いた床下で
どれ程の時を過ごしたのか
退化した瞳には
渇いた後光は映らない

雨に打たれる感覚も
風が張り付く間隔も
全ては遠い場所にある

歩む程に踏み拉き
元の形を残せぬのなら
散り散りのまま翌へ臨もう

板張りの硝子戸が
今日も
背中合わせで泣いている
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2015.05.15


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