不細工な甘味
埋め合わせの景色が
いつの間にか思い出となり
噛み合わない接合部位が
野晒しのまま首を擡げる

蛍光色の爪の様な
警戒色の舐めた螺子穴
低体温のドライバーが
血管を避けて型を求める

雨はただ 夢を叩いて
飴を吐き出す

包まれる事も叶わぬうちに
指先の動きは錆びついて
行き摺りの根は 砂利の隙間に

苦み走った顔の奥には
不細工な甘味が横たわる

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2015.07.10


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