多層膜に囃され
口にする度
階下に迫った泥流が
退化した瞳へと押し寄せる

誰が瞼を抉じ開けるのか
崩れた体躯は秩序を知らず
外れた太鼓の拍と重なる

浮かび上がるは鉄の殻
多層膜に囃された
キチン質の怒りと歓び

四散して飛散する
試算を持って色付く悲惨
やがて愉快な角を出す
玉虫色した屋根の上にて

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2015.07.14


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