爛れた花弁
使い古されたものたちが
澱みの内で膝を抱える

レンズ越しの虫の唱
両目を隔てる意思は撃たれて
削れた身体が陽を塞ぐ

誰の言葉も届かない
花弁が刃物であるうちは
流れ出る日々
熱い鉄
溜りゆくのは
ケロイド状の真心ばかり

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2015.08.23


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