真っ黒な雲
斑に染まった丘見上げ
疎らに止まった蟻の群れ

渇きあがった蚯蚓に水を
底の抜けた柄杓に縋って

巡る事ない潤い求めて
転がり落ちる
命の廻り

真っ黒な雲が溢れたら
蕾はきっと息が出来ない

呼吸を忘れる事も出来ずに
色だけが滲み陽は沈む

通り過ぎ行く季節の外では
有り余る水に膨れた身体が
横たわっているというのに

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2015.09.30


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