白いはおと
晩秋沈みし暮れの林道
穂先開いたすすきの海を
白い老婆が泳いでる。

口は開いて目も空ろ
萎れて根を張るその腕に
冷たい鎌を握り締め
お空を見上げるその首を
ざくざくざくざく
削ぎ落とす。

黄玉色のさざなみは
秋の日暮れに消えて行き
風が奏でる歯音に雑ざり
白い刃音が舞い躍る。


晩秋沈みし明けの林道
穂先開いたすすきの海を
白い老婆が泳いでる。

口は開いて目も空ろ
萎れて根を張るその腕に
冷たい鎌を握り締め
お空を見上げる霜柱
ざくざくざくざく
踏み拉く。

黄玉色のさざなみは
秋の日の出に消えて行き
風が奏でる葉音に雑ざり
白い羽音が舞い躍る。
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2007.10.15