夜鳴り
煌々と照る街灯り
蒸し上がった湯気に揺られて
行き過ぎる人
曇り硝子の裏に犇めく

時折刺さるヘッドライトは
主の居ない犬を翳めて
苦い吐息を引き摺るばかり

奇しくも
ガードレールが時を隔て
コードネームが土地を転がす
醒めた様な 冷めない様な
カフェの芳香

切れの悪い賑わいが
項垂れたネオンに絆され
宵に呑まれる

酔いに逃れる
やさぐれた久遠に焦らされ
ばつの悪い兼ね合い少々

囁く様に言い聞かす
ビルとビルとの鬩ぎ合い

夜音は未だ 息を潜めて
不穏な夜に 意味を求める

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2015.11.03


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