万葉の慶福
砂は器に留まらず
風の吹くまま
気の向くままに
雨降って地固まらず
泥流となって吹き溜まる

土は何時だって支え合い
潰し合う
心地の良い痛みの裏の
不愉快な幸せ

束の間に恐れを抱き
自問する
答える気も無く

晴れ上がった空の下には
腫れ上がった寺の唱
潤った水鏡は視線を返し
万葉の慶福へと思いを馳せる

関連記事

2015.11.14


Secret