不機嫌な霧
破れた腹を縫う様に
開きっぱなしの口を閉じ込む
さあ膨れてしまえ
漏らす事無く
熟成させた夜を愛でよう

耳の奥には傘の骨
降り注ぐ音を
受け止められずに
弾けて割れて拍は脈打つ

ああ 不機嫌な霧がまた
頭の中に充満している
憔悴し切った映写機だから
せめて豊かな色でありたい


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2015.11.15


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