焦げた玄関
蛻の殻と言っていい
この部屋には意思が無く
煙の様な声だけが
主の帰りを待っている

外の空気が恋しいです
包まれた思い出が
腐臭を放つ そんな週末

そう この玄関にも
夜は確かに忍び寄り
逆光の影を銜えたまま
地味で目立たぬ菌糸体を
派手派手しい
子実体の傘の下で
燃やし尽す他ないのだから

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2015.11.18


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