廃屋を囲む
廃屋を囲む賑いが
誘き出された過去を彩る

切り取られた庭は
満開そのもの
甘い薫りに囚われて
蟻の行くまま
蝶の舞うまま
淡紅色に溺れてしまえ

そう この道は いつか来た道
ペンキの禿げた トタン屋根
晴天の下の ボンネット
打ち付けられた
梯子と煙突
噎せ返る様な篝火は
確かに夜を引き裂いて
寂しい朝へと連なっていた

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2015.11.24


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