枕木に告ぐ
片手で収まり切らぬ程
小窓の苔は膨らんでいた

日差しを兆しと見做して
半月
溜まりに貯まった感傷は
堪らず承る干渉に
深い湿地の夢を観る

枕には
それは醜い泥の跡
拭き取る事も許されぬまま
費やされた時間分
夜風が緑に潰されてゆく

視界に砂利が敷き詰められて
都会に邪魅が吹き溜まる

生真面目な枕木に告ぐ
不真面目な境界
人の輪郭

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2015.11.27


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