在処離る想
布に包まれ微睡む刻は
硝子壁より溢れて注ぐ
蒼い絵具に染められて
行方不明のきみの名を
床臥し瞑り掻き分ける

黒い箱から零れて躍る
白群色の光彩たゆとい
鼓膜を揺らすは変拍子

渇いたぼくを眺めてる
孵らぬきみより鶸萌黄
真を以て至らぬものは
瞳が映す其の音と空洞

やうやう愛づる獣毛に
在処離る想は夜もすがら
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2007.11.09