満開の籠
今は亡き土の薫りは
埋め立てられた記憶と共に
生まれ変わりを待っている

枯れ草が水を得れども
若草には戻れまい

短い春の夢だった
移り気な蝶と巡った
野原に艶めく満開の籠

雪の下より伸びる生糸は
黒い血反吐の微熱に染まり
手繰る小指へ 想いを寄せる


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2016.01.05


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