欠けた雲
切れ端を掴む指先は
理不尽に積もった
重さに耐える

破れてしまえば
楽になるのに

昨日までの心臓は
缶詰の中で煮詰まって
震えるその手に
触れる事も儘ならない

ああ 齧り取られた雲間には
脈々と血が行き渡る
点になる

覗いているのは
誰の瞳だ

関連記事

2016.01.29


Secret