電飾の街
指折り数える人込みの
白い吐息が薄れる様を。

煤けた街の点灯式に
ぼくの心も移り変わり
ゆらめく鉄塔 暖かな
あの手の温もり 想い出す。

今年もまた、この場所は
枯れ木に灯る電飾の
光と影をも敷き詰めながら
冬の訪れ告げて行く。

転がる街の片隅で
路面に一人寝そべった
凍えた傘で明りを掬う。

破れた布の隙間から
差し込む光は星屑か?
それでも足りぬと身を削り
燃やした想いの発光か?

絶えず流れる人の波、
留まる事など出来やしない。
光を捉えや出来やしない。

それでもぼくは傘を差し
拉げたほねから降り注ぐ
光と影とに戯れる。

構うものか。
この場所に在れるのならば。
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2008.01.07