鬼は其処
湯気に充たされ
鉄条網から溢れ出る

そう 曇った窓は
未だ
指の軌跡のなすがまま

団地の染みへと背を向けて
逃走したのは誰ですか

空いた雲間に綿を足す
余所行きの顔 連れぬ郷愁

四角い枠から覗くのは
レンズ越しの
福は内 鬼は其処



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2016.02.10


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