春を間近に
岩肌を刳り貫いて
記録フィルムへ声 刻む
山の向こうは
咲いたでしょうか
結晶の花に悴みながら

ああ 割れた爪も
逃げ出しそうな 情勢です

誰も見ぬ労働
何も得ぬ空洞

今にきっと 地面は揺らぎ
沢山の顔が 涌き出る筈さ

支えきれぬ重圧
投げ出され倒壊

柔肌を擦りながら
滑り出し
振り返る 皆は無事かと

春を間近に


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2016.02.16


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