鼻腔の余韻
凍え死なずに済んだのは
昨夜の誘いを棄てたから

横殴りに吹き付ける
雪もこの灯は
消せやしないさ

奪われる前に身を隠す

闘いもせず
たらい回しの矛を嘲り
盾に寄り添う

借りものを返す相手は
もう居ない

貫けず 防げもせずに
ただ 後味だけが
鼻腔をなぞり 朝を迎えた


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2016.02.25


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