掌の影
取り零した実りの跡に
賑わう声はいつも幼く
気負った背中に突き刺さる
拾った笑顔は実に眩しい

空ばかり仰ぐからさ
こんな小石に躓くなんて

崩れた柱は
もう何の支えにも
為りやしない

そう これは瓦礫だ
揺らぐ事さえ許されない
少々手に余る 夢の残骸

覆っていたのは
雲ではない

今 無防備な体に降り注ぐ
冷たい風と
豊かな陽射し

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2016.03.04


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