器の中より
理解できない?
いいんだよ、それで。
それが普通さ。

僕の苦しみも
悲しみも
怒りも

どんなに頭を絞って
言葉という媒体へと
置き換えてみても、

製造場所も
材質さえ異なる
繊維の網に絡め取られ
濾過されて

哀しいかな
君の手元へと届くのは
4分の1以下の僕の思いと
残る全ての質量を
君の曲解で継ぎ足したもの。

僕もきっと、
大好きな君の言葉でさえも
曲解と思い込みで塗り固め
理解してなどいないのでしょう。

認められず
傷付き 恨み
焦燥感の中 渦巻いて
高く積み上げた壁の向こう
争いの火種で遊ぶ子供。

人は器の中でたゆとう水、
その器を壊さぬ限り
他の水を知る事など出来ない。


…それでも、

例え、行き着くものが
半分以下であったとしても
その思いの片鱗が
君の許へと届くのならば

煮え滾り
毒に染まったこの思い、
吐き出す価値はあるのだろう。
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2008.01.22