淡く融けながら
かばんの中
温めていたきのこを翳す。
街の灯の様にざわめいている。

木枯らしの様に
吹き抜けてゆくのかな。

小さな小さなその灯りは
ぼんやりぼんやり
遠退いてゆく。

切り立った石畳の広場、
地面にしがみ付いたアイスクリームは
何処に行くのかな。

星空が哂っている。
沢山の光が 何故か哀しく
足元の虫達をそっと抱きしめる。

背中越しの木々
僕は沈んでく。

耳にそよぐ虫の音、
淡く融けながら。

淋しくなった森の背
そっと問い掛ける。

落ち葉の下の震えに
星を帯びながら。
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2008.01.27