蓮華躑躅
さぁ、急いで急いで
ここで休もう

大きな屋根が覆う頃
小さな演奏響く頃

心が弾むその音に
2人の影は伸びてゆく

鏡の下の砂利道は
視線を浴びて苔生して
高速道路の傍らの
錆びたコンテナ讃えてる

羽根を広げた山鳥が
大きく空を引き裂いて
山の向こうのお日様と
臨界点まで競ってる

真っ赤に染まったお空には
赤いインクが滲んでて
暗がり踊るカビの根に
鋭い爪を突き立てた

零れ落ち
増えては錆びるその水は
気道を伝い皺枯れて
僕らの肺を満たしてく

ほら、見てごらん、
蓮華躑躅(れんげつつじ)が開いたよ。

たわわに実る首の根に
空と嘯き
黄金に染まる
埋れて消えた
春の夜更けに。
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2008.03.02