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霧の街
灰褐色に包まれた
囲いの街は山間の
切り立つ丘に張り付きながら
もう戻れないあの家を
霧の谷間に臨んでる。
傾斜と雪のこの街は
春になっても寒くって
白む吐息の舞う空に
淀んだ笑みを侍らせて。
おーい、こっちだよ。
小高い丘を貫いて
無数に繋がるトンネルは
今日も今日とて無自覚に
靴音重なる壁の背に
沈んでやまびこ響かせる。
病気の様な外灯が
ばちばち色を歪ませりゃ
隣の家の坊ちゃんは
青いトタンの坂道に
足を捕られて流れてく。
巻かれてく巻かれてく
鈍い吐息に巻かれてく。
もう踏み出せないその足は
しゃかしゃか空を切りながら
底の見えない霧の中
硝子の綿へと解されて。
ああ、今日もお家が売られてく。
想いで詰まったあの家が・・・。
小雪舞う
春と呼ぶにはまだ早い
こんな季節の明け方は
崖の下
とぐろを巻いた車道より
古巣を追われ訪れる
新たな家族が愛しく
財を成しては災を生す
括れた丘を曝け出す。
この階段もこの坂も
全ては切り立つ山間の
霧の谷間のトンネルに
無気力なまま流れ着く。
お家の新たなご主人は
パイプをぷかぷか吹かしながら
夢の潰えるこの街で
白む吐息に夢弾ませて。
囲いの街は山間の
切り立つ丘に張り付きながら
もう戻れないあの家を
霧の谷間に臨んでる。
傾斜と雪のこの街は
春になっても寒くって
白む吐息の舞う空に
淀んだ笑みを侍らせて。
おーい、こっちだよ。
小高い丘を貫いて
無数に繋がるトンネルは
今日も今日とて無自覚に
靴音重なる壁の背に
沈んでやまびこ響かせる。
病気の様な外灯が
ばちばち色を歪ませりゃ
隣の家の坊ちゃんは
青いトタンの坂道に
足を捕られて流れてく。
巻かれてく巻かれてく
鈍い吐息に巻かれてく。
もう踏み出せないその足は
しゃかしゃか空を切りながら
底の見えない霧の中
硝子の綿へと解されて。
ああ、今日もお家が売られてく。
想いで詰まったあの家が・・・。
小雪舞う
春と呼ぶにはまだ早い
こんな季節の明け方は
崖の下
とぐろを巻いた車道より
古巣を追われ訪れる
新たな家族が愛しく
財を成しては災を生す
括れた丘を曝け出す。
この階段もこの坂も
全ては切り立つ山間の
霧の谷間のトンネルに
無気力なまま流れ着く。
お家の新たなご主人は
パイプをぷかぷか吹かしながら
夢の潰えるこの街で
白む吐息に夢弾ませて。
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2008.04.01 ▲
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