空虚な針
味を知るのは誰なのか
飢えるばかりの住人に
突き付けられた
この一石

鳥は飛ぶのを
やめたのだろうか
はたまた
飛べないだけなのか

水飛沫を上げ留まる意図は
きっと言葉を繋ぐため

花吹雪は舞う
くぐもる糸を手繰るため
深さを測る 術も持たずに

老いはただ
嘴を挿す 羽根を尻目に
四季の節目へ

空虚な朝だ 今日も一日
真っ暗な沼に魚を求めて
餌の無い針を垂らし続ける
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2016.11.27


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